競走馬は引退後にどうなるのか!引退馬の詳細を熱く語る!

どうも、しーぷです!

今回は、引退した競走馬たちのその後について、詳しく語ります。センシティブな内容を含みますが、引退馬の全容を知らない方は、是非見ていってください。

きっと競馬の見方も変わるはずです。

以下、目次になります。

引退馬とは何か?引退する理由や流れは?

引退馬とは、何らかの理由で引退を余儀なくされた競走馬のことを指します。

本項では、競走馬達がどういうタイミングで、どのような理由で引退していくのか、詳しく説明します。

①:競走馬のデビューと引退の時期

一般的に競走馬は2歳秋ごろ、人間で言うところの中学生くらいの年齢で、レースデビューを果たします。

しかし、人間のスポーツ選手と同じく、「年老いて走れなくなってきたら引退・・」ということはなく、多くの馬たちは3歳~4歳、人間で換算すれば、成人もしていない程度の歳で引退を迎えます。

②:新馬戦や未勝利戦で一勝出来なかった場合

競走馬達は、基本的には初めの1レース目に「新馬戦」に出場します(時期によっては、初めから未勝利戦の場合もあります)。新馬戦は文字通り、レースが初めての馬同士の戦いです。

競馬というのは、一つのレースで十数頭が同時に走り、その中でたった一頭だけが勝者となり、次のステップへ進みます。

負けた馬たちは未勝利戦に向かいますが、この未勝利戦は3歳の夏までしか、枠が組まれていません。そのため、3歳の夏までに一勝もできなかった馬は、引退するか、地方のレースに向かうしか選択肢がなくなってしまいます。

地方のレースに向かって1勝して返り咲く馬もいますが、そんな馬はほんの一握りです。

毎年7000頭近くの馬が生産されていますが、その半分以上が1勝もできずに、若くして競走馬としての人生を終えることになります。

③:維持管理費を稼げない場合

上述したように、引退する競走馬の大半は、単純に競争能力が低く、使うレースがなくなったから、という理由で引退しています。

仮に3歳夏までに1勝できたとしても、今度はその登竜門をくぐり抜けた競走馬同士の戦いになるわけで、そこで全く通用しなければ、「稼げないから」という理由で馬主が引退を選択する場合もあります。

入厩してるだけでも、月50万前後の維持管理費が必要になるので、ある程度稼いでくれないと赤字になってしまうからです。

他にもレースや調教中の怪我で引退したり、そもそも気性的にレースで走ること自体が向いていなくて、デビューすることもなく引退していく競走馬もいます。

競走馬の引退後の行先について!

前項で非常に多くの競走馬達が、早期に引退すると書きましたが、その引退馬達はその後どこにいくのでしょうか?

ここでは引退馬の行先について紹介させていただきます。

①:種牡馬

繁殖用の牡馬のことを指します。

基本的には、重賞などで活躍したり、競争成績が優秀な馬が引退した場合に種牡馬になります。繁殖用として第二の馬生を歩むことになり、多くの子孫を残すことができます。

ただし、種牡馬になれるのはほんの一握りです。

②:繁殖牝馬

繁殖用の牝馬のことを指します。牡馬と違って、牝馬が産める仔供の数は年に一頭です。年間で生産される馬の数は7000頭ほどですので、それ相当の頭数の牝馬がいることになります。

現在、繁殖牝馬として登録されている馬の数は10000頭前後と言われています。

毎年、引退した牝馬の1000頭近くが繁殖牝馬になります。

③:誘導馬

主にパドックや馬場において、隊列を先導する馬のことを指します。白毛や芦毛のような見栄えする毛色や馬体を持ち、かつ気性が落ち着いている馬から選任されることがほとんどです。

グリーディング役を務めたり、放馬などアクシデントが起きた際には、馬を落ち着かせたりと様々な役目を担っています。

引退馬のうち、誘導馬になれるのは、ほんの極少数です。

④:使役馬

使役馬といえば、当て馬の役割を持つ馬のことを指す場合がほとんどです。

当て馬とは、馬の繁殖の際に、牝馬を興奮させるためにあてがわれる牡馬のことで、試情馬とも呼ばれています。

種付け自体は種牡馬が行いますので、当て馬は本当にただ牝馬をその気にさせるだけという損な役回りです。

⑤:研究馬

馬の研究の為に用いられる馬を指します。

年間数十頭ほどの引退馬が研究馬になると言われていますが、ようはモルモット、実験動物なわけなので、時には過酷な実験に晒されることも多くあります。

⑥:乗用馬

乗用の馬を指します。騎乗自体を趣味として楽しんだり、馬術などのスポーツでも活躍します。

引退後の競走馬の大半が乗馬として扱われていますが、これは隠語でもあり、実際には処分されている場合のほうが多いです。

⑦:廃用馬

処分されてしまう馬たちのことを指します。なかなか公にされない情報ですが、引退馬のほとんどは行き先がなく、処分されたのち、家畜飼料やペットの餌になるか、肥育場に送られたのち馬刺しなどに加工されます。

競走馬は走る為に無理矢理生み出された命にもかかわらず、成績が振るわないと子どもだろうと簡単に搾取されてしまうという極めて厳しい状況下にいます。

また、繁殖馬に関しても、仔が産めなくなったり、仔の成績が振るわなければ、ほとんどが処分されてしまいます。

優秀な馬(お金を稼いでくれる馬)だけが生き残れる世界なのです。

競走馬は引退後なぜ処分される割合が多いのか?

ではなぜ引退馬の多くが処分されなくてはならないのでしょうか?その理由を解説します。

①:受け入れ施設が少ない

基本的に繁殖にあがらなかった競走馬達は、表面上は「乗馬になった」として処理されていますが、実際はほとんどが行方不明となっています。

なぜなら、毎年5000頭以上の馬が引退していて、そのほとんどが乗馬になっているはずなのに、今現在、乗馬クラブに登録されている馬の数は全体で5000頭程しかいません。

本来なら数万頭いないと、計算がおかしくなります。

乗用馬がたった5000頭しかいない、その事実が示すのは、実際はほとんどの馬が乗馬になれず、人知れず処分されているということに他なりません。

そもそも、日本に引退馬を受け入れる施設自体が圧倒的に少ないのです。

②:飼育費用が莫大にかかる

競走馬は長くて30年以上生きる動物です。それなのに、3歳~4歳で引退してしまい、受け入れ先が見つからず、セカンドキャリアも積めないとなると、残り20年以上はただただ飼育費用だけが掛かるようになります。

また、野生に放つこともできないため、馬たちが生きていくには、人間が餌を用意し、管理する必要があります。

馬は体重が500㎏にも達する大きな動物です。多額の餌代もかかりますし、装蹄費や人件費なども考慮すると、月10万は掛かります。

つまり、年120万、引退後寿命まで20年生きたとしても2400万円の飼育費用が掛かることになります。

飼育費用が掛かるくらいなら処分してしまおう、そういう考え方が当たり前のように浸透しています。

③:リトレーニングの難しさ

受け入れ施設の問題や飼育費用の問題もそうですが、そもそも引退馬達にセカンドキャリアを積ませるためのリトレーニングの難しさも大きな壁として立ちはだかります。

もともと騎乗されていたのだから、乗用馬への転向は簡単に見えますが、競走馬というのは、とにかく早く走ることや、ライバルに対して食らいついていく闘争心を徹底的に教え込まれています。

そのため、いきなり従順に、ゆっくり人を乗せて歩いたり、なんて器用なことはできません。

乗用馬になるには、それ相応の訓練が必要になりますし、気性的にどうしても向かない馬も存在します。毎年、数千頭が引退するのに対し、訓練する為の時間もコストも大きく、リトレーニング施設も足りていない・・、これではほとんどの馬が乗用馬になれず廃用になるのは当たり前です。

④:大量生産大量廃棄が標準になっている

日本は何でも物が揃っている国ですが、同時にゴミの量も非常に多い国です。そのため、競走馬も、犬や猫などのペットまでも、まるで物のように大量生産大量処分が当たり前になっています。

さらに問題なのは、それがビジネスとして標準化してしまっている点です。

やり方を改めようにも、あまりに規模が大きく、それに関わる人たちも増えすぎてしまい。変えること自体が難しいのが現状です。

「動物の命を大切にせず、杜撰に扱う程、利益が増える計算式」が成り立っていることが、大きな問題です。

引退馬を処分させない為に私達ができることは?

では、引退馬に対して、私達ができることはなんでしょうか?

本項では、どなたでもすぐに実行可能な二つのことを紹介します。

①:正しい知識を持ち、周囲に伝播する

「競馬は動物虐待だ!今すぐ競馬をなくそう!」なんてことは現実的には不可能ですし、これだけ業態が大きくなってしまった以上は、もはや地道に規模を縮小させるしかありません。

具体的には前の項で書いた「動物の命を大切にせず杜撰に扱う程、利益が増える計算式」これが成り立たなくなればいいのです。

その為には、引退馬がその後どうなっていくのか、なぜ大半が処分されてしまうのか、犬や猫はなぜ毎年のように万単位で処分されているのか、その理由を、みんなが正しく知ることが大切です。

目を覆いたくなるのも分かりますが、「臭いものに蓋をする」その積み重ねが産んだ負の産物が、現在の大量処分なのです。

正しい知識を皆が持ち合わせ、「引退馬を処分するのが前提の競馬ならやりません!」とか「小さなショーケースで展示しているペットショップでは、ペットを飼いません!」など、動物を大切にしていないとビジネスが成り立たない風潮が当たり前になれば、それ分だけその業態は衰退していくはずです。

そうして衰退とともに、少しずつ生産の蛇口が閉められいき、緩やかに大量生産大量処分のビジネスモデルは瓦解していくことになります。

一人ひとりが正しい知識を持つことが、なにより大事なのです。

②:引退馬支援団体に寄付をする

前述したように、まずは生産頭数を絞っていくことが先決ですが、それには相当な長い年月を要するのは言うまでもありません。

その間も、行先のない引退馬は処分され続けることになります。それをすこしでも防ぐためには、元栓を閉めるのと並行して、引退馬の行先も増やしていく必要があります。そうすることで処分される馬の数を減少させることができるはずです。

纏まったお金があるのであれば、自ら養老牧場を立ち上げ引退馬を受け入れるのが一番ですが、現実的ではありません。

次の項で詳しく紹介しますが、日本にも引退馬を支援する団体はいくつかあります。

引退馬支援団体への寄付なら誰でも気軽に行うことができますし、たとえ一人ひとりの支援額が少なくても、支援者の数が増えれば、大きな力を生み出すことができます。

引退馬を支援する団体を紹介!

引退馬を支援するためには、引退馬を支援する団体に協力・寄付することがなによりの近道になります。

ここでは引退馬支援団体を簡単にではありますが、いくつか紹介させていただきます。

①:認定NPO法人 引退馬協会

「引退馬たちが終生、安心して暮らせるよう、ずっと見守っていきたい。そして引退馬を支援、繋養することで、人も馬も幸せにしたい」という強い思いが、私たちの20年間の活動のベースにありました。

その経験と実績を、次の時代へ伝えていく資産として。引退馬協会は、これからも、馬と人、人と人をつなぐ架け橋であり続けようと思います。

(引用:【認定NPO法人 引退馬協会】ハッピーライフプロジェクト

認定NPO法人引退馬協会は、「ずっと、一緒に生きよう。たくさん、好きでいよう」をテーマに、引退馬を支援する様々な事業を展開しています。

一頭の馬を多数の人で支えるフォスターペアレント制度(里親)や再就職支援、全国の繋養先で馬と人とを繋ぐ「引退馬ネット」、馬との接し方のセミナー、その他ツアーなども実施しています。

単発の寄付のほか、月額会員になったり、オリジナルグッズを買うことで支援することが可能です。

公式ページは以下になるため、気になる方は、ぜひチェックしてください。

②:TCC JAPAN

現代社会に応じた新しい馬と人との共生のカタチをつくり、馬の活躍領域を広げ、その活動に対し経済的・社会的・文化的価値を創造すること。

私たちTCC Japanは馬をパートナーとしたソーシャルイノベーションを通じ、馬にも人にも優しい社会、動物と自然と共存する社会の構築を目指し、日々活動を続けてまいります。

(引用:【TCC JAPAN】公式HP

TCC JAPANは、日本中央競馬会の栗東トレーニングセンターで有名な滋賀県栗東市を拠点として、引退馬の支援施設「ホースシェルター」の運営、全国乗馬施設と連携した乗馬システムの確立、障がいを抱えた子ども達へのホースセラピーを三本柱として活動しています。

「TCC FANS」より会員になることで支援が可能です。以下、会員登録ページとなります。

③:吉備高原サラブリトレーニング

「一頭でも多くの馬の命を救いたい」「引退したサラブレッドを、五輪へ」。そう思って今まで『競馬を引退したサラブレッド』たちをリトレーニングしてきました。

血統からして「とにかく走る」ことを叩き込まれているサラブレッド達は、もともと馬術競技に不向きではありますが、リトレーニングすることによって、優秀な馬術競技馬として生まれ変わることができます。

(引用:【吉備高原サラブリトレーニング】公式HP

吉備高原サラブリトレーニングでは、引退した競走馬のリトレーニング(セラピー馬や乗馬として第二の人生を歩むための訓練・調教)を専門に行っています。

サンクスホースプロジェクトのプロジェクトパートナーとして、TCC FANSと連携しながら引退馬の支援にあたっています。

通常の寄付の他、ふるさと納税で支援することもできますので、控除上限額までまだ余裕のある方は是非ご参加ください。

④:NPO法人 ホーストラスト

ホーストラストは、現役を引退した馬たちが穏やかに暮らす牧場です。昼夜放牧・共同放牧を基本として、その馬の生活レベルにあった環境を整備しています。

馬を群れで放牧し、広さと頭数のバランスを保つことによって(過放牧にならないようにする)、馬を草の上で生活させることができます。また、昼夜を通した共同放牧には、馬のストレスを低減する、性格が温和になる、また飼養経費の圧縮など様々な効果があります。

(引用:【NPO法人 ホーストラスト】ホーストラストとは

ホーストラストは広い放牧地を確保し、そこで昼夜放牧を行うことで、厩舎での管理でのキャパシティにとらわれずに、多くの引退馬を救うことをコンセプトとしています。鹿児島と北海道に放牧地を所有しています。

トラストスポンサー(月額3,000円支援)、トラスト基金への寄付、賛助会員の3パターンで支援できますが、繫養システムの特性上、預託料が1頭あたり月額33,000円と安いので、トラストスポンサー11人で一頭の馬を支えることが可能です。

詳細や、具体的な支援方法については、以下の公式ページを参考にして下さい。

⑤:ヴェルサイユリゾートクラブ

この牧場は、引退馬達に会いに来られる観光牧場として成立させることで、引退馬達の余生をしっかりと支える仕組みを、地域にも広げていくことを大きな目標としています。

(引用:【Ready for】ヴェルサイユリゾートクラブ詳細

ヴェルサイユファーム株式会社が、引退馬牧場の整備や養生費用を集める為に立ち上げたクラウドファンディングです。

月額支援の「マンスリーサポーター」、単発支援の「今回のみ支援」から選ぶことができます。引退馬の養育費用を支援することが可能です。

詳細は、以下のページを参考にして下さい。

⑥:北海道標茶町(ふるさと納税)

厩舎のあるホテルや多様なホーストレッキングコース、釧路湿原や塘路湖などの景勝地がありますが、点在するそれらをつなげ資産として活かし、全国の乗馬ファンや馬を愛する人たちに何度も訪れていただけるような「馬を核とした地域づくり」を進めています。

(引用:【ふるまる】がんばった馬たちに、終の棲家を。

北海道標茶町では、ふるさと納税を利用したクラウドファンディングによって、引退した乗用馬を受け入れる活動をしています。

寄付したお金は養育費用や設備の整備に使われます。支援ページは以下を参照してください。

引退馬を支援できる可能性がある人

引退馬を巡る問題においては、5種類の人がいます。

  • A:そもそも競馬に興味がなく、引退馬の惨状を知ることが難しい人
  • B:引退馬の実態を知らずに競馬をやっている人
  • C:引退馬のその後について思うことはあるものの、競馬を続けている人
  • D:引退馬がどうなろうが、知ったことではない、経済動物だから仕方ないと思っている人
  • E:引退馬のことに心を痛め、競馬をやめた人

正直なところA,Dの人に引退馬を支援してもらうのは、かなり難しいです。

ただAに関しては、最近JRA(日本中央競馬会)も若い世代をターゲットにしたCMを放映していますし、新しく競馬に興味を持った世代がSNSなどを通じて、引退馬の惨状を拡散してくれると、状況は変わってくるかもしれません。

Eは本当に優しい人です。その選択を見習いたいです。

そしてB、C。今この記事を見に来ていただいている大半の人がこのタイプに該当するのではないでしょうか?

競馬界を大きく変えることができる、潜在能力を持っている人たちです。

引退馬の現状を変えるための支援策の提案

ここまで、競馬に対して否定的なことばかりを書いてきましたが、私自身、幼少の頃から「ダービースタリオン」で遊び、成人したら当たり前のように競馬を楽しんでいました。

馬そのものが大好きで、美しくて、愛らしい生き物だと思っていますし、競馬だけではなく、乗馬ライセンスを取ってみたり、一口馬主クラブに入会したりなど、様々な分野で馬に関わってきました。そして、同時に引退馬の現状についても知るようになりました。

それらを少しでも変えるために、以下に幾つかの支援策を提案します。

①:馬券の金額の一部を引退馬に還元する

JRAは毎年、2兆5000億円前後の売上高がありますが、もし馬券を買う人全員がその1/10でいいから、引退馬の支援に回したら、2500億というお金が生まれます。2500億という数字は、その年に引退する何千頭の馬すべてを、寿命を迎えるまで飼育することが可能なほどの大きな金額です。

もちろんそんな単純な話ではありませんが、競馬を楽しんでいる人こそが同時に引退馬支援の大きな力になる可能性を秘めているのです。

馬が好きなら、その気持ちを少しでもいいから、馬に還元してあげることが大切です。

②:一口馬主クラブで飼育補償を行う

私自身競馬だけでなく、一口馬主も大好きで、クラブについての記事もいくつか挙げています。

一口馬主自体、余力資金があり、かつ馬が大好きな方が出資している場合がほとんどです。

そのため、一口馬主クラブで一部の馬に「終生飼育補償」なるものを設けるのはどうでしょうか。

例えば、3000万円で募集されている馬に更に1000万円上乗せし、その代わり、その馬が引退しても、寿命を迎えるまでは、クラブ主導のもと管理、もしくは預託し、その費用を負担します。また所在を明らかにし、出資者がいつでも引退馬に会えるようにします。

一部の馬と言ったのは、もちろんクラブの中には利益を追求している人もいるからです。

試験的に1、2頭試してみて、口数が埋まるようなら、終生飼育保障付きの募集馬の頭数を増やしていくという施策です。

流動的な競走馬の世界では現実的ではない話かもしれませんが、もし自分の所属するクラブがこういう取り組みを行っていたら、間違いなくその馬に出資するでしょう。

生産牧場を母体とするようなクラブが募集馬用の養老牧場を持つようになったら面白いですね!

引退馬に関して私の考えと行っていること

私自身、競馬に魅了されてきた人間の一人で、長い間続けてきた趣味と言うこともあり、引退馬の現状を知ったうえでもまだ競馬を辞めることができていない、中途半端な人間でもあります。

馬がこれだけ苦しんでいるのを知っているのに「面白い」から続けているというのは、相当なエゴではないか、ひどい人間なのではないか、という意見に対し、反論する言葉もありません。

しかし、私のようなスタンスでふらふらしている人は相当数いるのではないでしょうか?

とはいえ、私も何もしていないわけではなく、自分のできる範囲で行動してるつもりではあります。

昔はすべての重賞どころか、気になるレースはすべて賭けていましたが、今では週に1レースだけに絞って予想するようにしています。賭ける金額も、一番多かった時期から比べると半分以内に収まるようになりました。

一口馬主クラブも昔は手当たりしだい入会していましたが、今は多くても2クラブ以内に収めるようにしています。

その分浮いたお金や、馬券が当たった時、愛馬が勝利して配当が出たときなどは、その一部を引退馬支援団体に寄付しています。

競馬自体を毛嫌いしている方からすれば、自己満足や偽善にしか見えないかもしれません。

しかし、もやもやを解消するためだけの行動であったとしても、それは引退馬にとってマイナスには働きません。

「塵も積もれば」で、大きな力になるはずです。

まとめ

競馬がコレだけのファンを持ち、人々を魅了し続けている理由とはいったいなんでしょうか?

様々な理由があるかもしれませんが、一番は競走馬が生きているということ、一頭一頭にたくさんの人たちが関わっていて、ドラマがあり、感動があるということ、そして人馬一体の美しさや、ブラッドストーリーに心動かされるからではないでしょうか?

馬は人に従順で穏やかな生き物ですので、昔は戦争で軍馬として、現代では競走馬として、常に利用され続けてきました。

確かに馬は経済動物かもしれません。他の家畜とどう違うのかという意見や、弱肉強食だから搾取されて当然という意見も散見されます。私もベジタリアンではないので、肉も食べますし、馬刺しを食べたこともあります。

しかし、だからといって今の競馬の形が正しいかと問われたら、確実に間違っていると言い切れます。ルールと体制さえ整えば、馬も人ももっと幸せになることができるはずです。

当エントリーを見た上で、競馬をやめようと思った人がいたり、引退馬支援をしてみようと思った人がいたのであれば幸いです。

最後までお付き合いいただきありがとうございました。

 

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